ボケを最大限に引き出す方法

写真において、ボケとは、被写体が背景から孤立しているように見える魔法のボケの質を表す言葉です。 ソフトでクリーミーな美しい背景を持つ写真は、私たちにとって視覚的に魅力的なものです。 平坦に見える写真に奥行きと立体感を与え、一点に視線を集中させることができるのです。 そこで今回は、カメラのセットアップで最大限のボケ味を得るためのヒントをいくつかご紹介します。0

目次

大きな絞りを使う

ボケはカメラが作るのではない-ボケを表現しているのはレンズとその光学系である-と。 そのため、まずはレンズの絞りを最小値、つまり「開放値」に設定します。 カメラのモードを「絞り優先」にして、「f」の値をカメラが許す範囲で最小にすればよいのです。 ニコンのデジタル一眼レフカメラでは、前面のダイヤルを左(反時計回り)に回すのが一般的です。

レンズの絞りを下げると、どのような効果があるのでしょうか?

被写体との距離を短くする

被写体に近づけば近づくほど、背景はぼやけていきます。 これは、被写体が非常に近いと、レンズはより近くにピントを合わせ、被写界深度を最も小さくするためです。 人差し指を2フィート先のものに近づけて、その指に目の焦点を合わせ、目の方に動かしてみてください。 目に近づくにつれ、指の奥のものがどんどんぼやけていくのがわかると思います。 レンズもこれと全く同じで、ボケの表現には被写体距離が大きく関わってきます。

NIKON D3S + 70-200mm F2.8 @ 85mm, ISO 800, 1/80, f/2.8

背景との距離をとる

撮影する対象が忙しい背景にとても近い場合、ボケは確実に悪くなってきます。 被写界深度とは、単にピントが完全に外れた状態ではなく、下の画像のようにシャープな状態から徐々にボケていくものであることを忘れないでください。 ですから、ボケ味をよくするためには、被写体を背景から離すようにしましょう。 例えば、葉っぱのついた木の枝の近くに立っている女の子を撮影する場合、葉っぱは完全にピンボケにならないかもしれません。

NIKON D700 @ 60mm, ISO 720, 1/100, f/2.8

上の画像でわかるように、木の葉に近い部分はシャープで焦点が合っていますが、左側の少し後ろの部分はややボケているように見えます。

焦点距離を長くする

カメラから被写体までの距離が同じであれば、レンズの焦点距離を長くすると被写界深度が浅くなります。 ですから、ズームレンズをお持ちの方は、レンズの焦点距離を最大にして、被写体と背景をより分離させるように撮影するとよいでしょう。 また、ズームアウトして最短の焦点距離で使用すると被写界深度が深くなるので、風景や建築物の撮影には好ましいと言えます。

NIKON D3S + Zeiss Distagon T* 2/35 ZF.2 35mm, ISO 200, 1/1000, f/2.0

例えば70-300mmのズームレンズを持っている場合、焦点距離300mmで撮影すると被写体は最も孤立し(これが最も美しいボケを得るための条件)、一方70mmで撮影すると背景の多くのオブジェクトに焦点が合うようになるのです。

長いレンズを使う

焦点距離が長くなると被写界深度が浅くなるので、レンズは長ければ長いほどボケはよくなります。 しかし、ピンぼけ部分の描写はレンズの光学系に大きく依存するため、必ずしもそうとは限りません。 例えば、ニコン18-200mmとニコン70-200mmは同じ200mmという長い焦点距離を持っています。 しかし、ニコン70-200mmは18-200よりもはるかに優れた光学系を持っているため、18-200と比較すると非常に美しいボケ味を実現しています。 つまり、「長いレンズを使う」ということは、「高品質の長いレンズを使う」ということなのです)

NIKON D3S + 300mm F2.8 @ 500mm, ISO 1600, 1/800, f/8.0

速いレンズを使う

そして最後に、絞りは被写界深度に影響がありますので、一番速いレンズで撮ることですね。 美しいボケを得るには、ニコン50mmF1.4、ニコン85mmF1.4、ニコン70-200mmF2.8など、大口径でポートレート用に高度に最適化された光学系のレンズが最も適しているのです。 また、安価なものでは、Nikon 50mm F1.8やNikon 85mm F1.8も素晴らしいボケ味を見せてくれます。

NIKON D3S + 300mm F2.8 @ 300mm, ISO 1250, 1/1000, f/5.6
NIKON D600 + 50mm, ISO 800, 1/2500, f/2.0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。