Streptococcus pneumoniaeおよび他の呼吸器病原体におけるABX耐性はABXの使用歴と関連していた。 目的 異なる呼吸器感染症に対する抗生物質の処方パターンを検討すること。 研究デザイン 医師の診察と抗生物質の処方について,識別情報なしでリンクされたコンピュータデータベースの解析。 方法 カナダのサスカチュワン州では、すべての医師の診察は公的医療保険で賄われている。 ICD9診断コードを用いて、5歳未満の小児の呼吸器感染症に関するデータを取得した。 結果は以下の通り。 1995年には61,165人の小児がいたが、そのうち34,381人(56%)が呼吸器感染症で94,077回受診し、40,516回のABX処方を受けていた。 ABXの内訳はペニシリン系(63.4%),エリスロマイシン系(11.8%),コトリモキサゾール(5.4%),セファロスポリン系(7.7%),エリスロサルファ系(6.5%)であった。 最も多い診断は急性URIで、全受診者の46%、全ABX処方の42%を占めた。 ABXの平均コストは肺炎球菌性肺炎が最も高く20.40ドルであったが,URIの治療にかかる平均コストは12.98ドルであった。 中耳炎と肺炎のABX処方率が低いのは,分母を訪問診療とし,各エピソードに複数回訪問していることと,滲出液を伴う中耳炎が含まれていることが関係していると思われる。 結論 ウイルス性感染症に対するABXの処方率は、細菌性感染症に対する処方率より低くはない。 このことは、カナダでもABXの過剰処方が確認された。 ABXのコストの大半は非細菌性感染症に向けられたものである。 表