精神病患者に最適なクロザピンの用量を見つけることは、どの用量のクロザピン血清レベルも非常に変化するため困難である。 この個人間変動はクロザピンの複雑な代謝を反映している。
血清レベルを測定することで、投与量が不十分なために患者が精神病のままか、無症状の患者が精神病再発のリスクなしに副作用を最小限に抑えるために低用量を安全に投与できるかどうかを判断することができる。 以下のガイドラインに従うことで、本薬の薬物濃度を有効に活用することができます。 通常、最終投与から12時間後(夜間投与後の朝など)、治療開始後数日後に測定します。
クロザピン値をオーダーすると、ほとんどの検査施設でクロザピン、ノルクロザピン、それらの合計の3つの数値を報告します。 この文献ではクロザピン値の臨床的使用のみを取り上げ、活性の低い代謝物であるノルクロザピンは無視しています。
クロザピン値の解釈
クロザピン値と治療効果及び毒性の間には単純な関係はないが、慢性統合失調症患者1に対する無作為臨床試験では、重ならない3つの範囲を比較した結果、次のことがわかった。
- 中レベル(200~300ng/mL)は良好な初期目標値
- 低レベル(50~150ng/mL)は中・高レベルほど有効ではない
- 臨床効果が不十分な場合は高レンジ(350~450ng/mL)も試みることができる
- 回復期の高値(すなわち>クロザピンとノルクロザピンの合計値1,000 ng/mL)は、効果が証明されておらず、発作のリスクを増加させる。
。 高値は中値よりも効果がなかったが、
これらのガイドラインは2回または3回に分けて投与することを基本としています。 本剤を夜間のみ投与する場合は、分割投与した場合と比較して、朝方の薬物濃度が高くなることを考慮してください。 例えば、クロザピン200mg×2回(400mg/日)投与にもかかわらず精神病が継続している統合失調症患者のケースを考えてみましょう。 クロザピン値は100ng/mL(すなわち低域)、ノルクロザピン値は50ng/mLである。 この患者がクロザピン値を中域下限値(200ng/mL)にするためには、2 倍の用量(800mg/日)が必要である。 なお、この計算ではノルクロザピン濃度は無視される
。