ドレスラー症候群(DS)は、心筋梗塞(MI)の数週間から数カ月後に発症する免疫介在性または二次性心膜炎の遅延型である。
用語解説
ドレスラー症候群は、心筋梗塞後の早い時期に見られる心外膜炎と混同してはならず、再灌流の時代(現在では経皮的冠動脈インターベンション)にはまれな現象と考えられています。
疫学
かつては心筋梗塞の1~5%に起こるとされていましたが、再灌流(最初は血栓溶解療法、その後はPCI)により発生率は減少し、0.5%以下になることもあります2~3,5。
臨床症状
患者は通常大規模心筋梗塞後1週間から数ヶ月で発症します。
典型的な症状は以下の通りです:
- 胸痛
- 発熱
- 全身倦怠感
典型的な兆候は以下から成ります。
- 白血球増加および炎症マーカーの上昇
- 心膜摩擦音(聴診による雑音)
心嚢液がたまることはよくあるがタンポナーデはまれである。
病理学
病因はよくわかっておらず、局所炎症、自己免疫反応、潜在性ウイルスなど、いくつかの考えられる病態メカニズムが提唱されている。 2.についてはコンセンサスが得られている。
- ドレスラー症候群は、
- 心筋梗塞後症候群
- 外傷後心膜炎
- ドレスラー症候群は免疫調節性
経皮梗塞後に最もよく見られる。 しかし、より軽症の心筋梗塞でも見られることがある 5.
Radiographic features
Plain radiograph
- 非特異的心拡大
- 心膜炎の項も参照
- 胸水の合併
CT
- 大きさの異なる心嚢液が認められることがある。 は単純なもの(漿液性)から、複雑なもの(例.心筋梗塞部位の心筋菲薄化、冠動脈のステント(PCI後の状態)を認めることがある。 所見:
- 心膜全体に強い後期ガドリニウム増強
- 典型的には梗塞した心筋の局所薄化とアキネシス(経層梗塞の合併症)
治療と予後
臨床経過は多くの場合良性である。 保存的管理としてはNSAIDsやコルヒチンが用いられる。 しかし、タンポナーデや自由壁破裂を起こすことがあり、緊急手術が必要である。 まれに収縮性心膜炎を併発することがある。 心嚢穿刺とフィブリン糊の注入を試みることもある。 5.
歴史と語源
1950年代後半に発見した心臓学者William Dressler(1890-1969)の名にちなむ。